奇術 (きじゅつ)あるいはマジックとは、人間の錯覚や思い込みを利用し、実際には合理的な原理を応用してあたかも「実現不可能なこと」が起きているかのように見せかける芸能。通常、観客に見せることを前提としてそのための発展を遂げてきたものをいう。手品(てじな)と同義であり、古くは手妻(てづま)、品玉(しなだま)とも呼ばれた。
手品のタネ
かつては手品のタネは、師匠から弟子へと伝えられる重要な秘密であったという。現在では、手品の本や手品の道具を買うことによって誰でもタネを知ることができる。しかしながら手品は娯楽であり、奇術師が作り出す幻想の不思議さを楽しむものであり、トリックを見破ることが目的ではないことを忘れてはならない。また多くの手品は物理的なタネの上に、長時間の訓練があって成り立っているのである。
タネあかしは奇術の世界では現在でも重大なタブーと見なされる。
例えば、日本で一時話題になった「覆面マジシャン」の正体はバレンティーノというイタリア系プロマジシャンで、テレビで悪質なタネ明かしをしたためアメリカやブラジルのショービジネス界から追放された。 日本でも、ある団体に所属する日本人マジシャンがテレビで重要なテクニックやタネを明かしたために世界的な問題に発展した。それ以前にも、ステージマジックを明かしたマジシャンが日本奇術協会から脱退させられるという事態が起きている。
観客との距離による分類
クロースアップマジック
テーブルを間にして小人数の観客と向かい合って演じる奇術。テーブルマジックとも言われる。いわゆる「手品」と呼ばれるのは主にこのタイプである。道具はトランプやコイン、煙草などが使用されることが多い。観客の目の前で行われることによって、誤魔化しようのない不思議さが演出される。また観客の選んだトランプを当てるなど、観客が参加する楽しみもある。英語表記は"close-up magic"であり、「クロース」と濁らないで発音する。
アマチュアの手品師の活躍しやすい場でもあるが、プロの手品師によるクロースアップマジックこそ、奇術の中でもっとも不思議な気持ちを味わえるものとも言われている。
ステージマジック
大人数を前に舞台の上で行われる大規模な奇術。ハトや宝石、トランプなどが出現・消失したり、さらには人間の出現や消失、人体の切断、爆発からの脱出などの派手な演出がなされることが多い。特に大規模なものはイリュージョン(幻想)と呼ばれることもある。
サロンマジック
クロースアップマジックとステージマジックの中間的な奇術。出現系の派手な演出を比較的近距離から楽しめる。また、観客の参加度も高い。パーラーマジックとも呼ばれる。
ストリートマジック
路上などで演じるマジック。日本ではあまり普及していない。
道具による分類
カード
コイン
シガレット
シルク
ボールとカップ
ロープ
ウォンド
シンブル
四つ玉
リング
など